喰らうモノ
昔からいるやつの口調むずすぎて書けない…呪具師は最高の素体を手に入れるために当時最弱の特級術師と戦闘しボロボロになり、呪具を大量に失いながらも勝利した。
「はぁ、はぁ、!ようやく死んだか…」
戦闘が終了し、増援が来る前に死体を持って退却しようとするが、
(…増援が遅すぎる、いくら無能とは言ってもここまで遅いことがあるのか?)
と疑問を持った瞬間。
唐突にとてつもない気配が出現する
(なんだ!この気配っ!さっきの特級より遥かに…!)
そして、現れたのは6mほどもある狼だった。
『ほう?何やらうまそうな気配がするでは無いか?』
その巨大な狼の口には大量の血が付着していた。
(ああ、増援が来なかった理由はこれか…)
増援の中には1級相当もいたはずだが、この呪霊が無傷でここにいることが答えだろう。
『うん?そこの者よ、その手に持ってる死体は何者だ?とてもうまそうな魂の匂いがするぞ?』
天外は瞬時に悟る。
(答えなければ、、、殺される)
「………これは特級術師の死体だ」
そう聞くなり巨大な狼の顔が愉悦に染まる
『そうかそうか!ならば、喰わねば失礼であるな?我の糧となればそのものも喜ぶだろう?』
天外は正直ふざけるなといいたかった。何年もかけて準備してようやく得た最高の素体をみすみす渡したくはなかった。
だが、むしろこの状況は奇跡である事もわかっていた
(こいつなら俺を今すぐ殺して両方食う事もできるだろう…増援の奴らには感謝だな)
そして、この機会を逃すほど馬鹿でもなかった。
(この喋り方からして古くからいる呪霊だろう…ならば!)
「…ああ、わかった、、、だが条件がある。」
『…ほう?聞かせてみろ?不愉快な事をダラダラと垂れ流すのなら直ぐに喰ろうてやるぞ?』
少し苛立った様子だが話を聞くくらいはしてくれるようだった。
「この死体を渡す代わりに、私を助けてくれ。」
『…どうやら期待外れのようだな』
その巨大な体に見合った口が眼前に迫る中呪具師は焦らずに口を開く
「まだ話は終わっていない」
呪霊の動きが止まる。
『ほう、まだあるのか。これで貴様が生きるか魂ごと消えるか決まるのだ。慎重に話せ』
「私の隠れ家に周辺の呪いを貯める呪具がある。その呪具で30年貯めた特級相当の呪いもくれてやる。だから私を助けろ。」
この時、呪具師は知らないが、飢餓の呪霊にとって永続的に呪いが手に入ると言うのは、2000年以上にもわたる飢えに終止符を打てる可能性を感じさせるに十分だった。
『!…いいだろう。だが、我からも条件がある。貴様が死んだら魂を喰わせろ。その歪に歪んだ魂もうまそうだ。』
「分かった。縛り成立だ。…名前はなんと呼べば?」
『そうであるな………我の名は餓狼と呼べ』